3・11のころ

3・11のころ(特にその後の1ヶ月くらいの間)、 自分が何を考えていたのか、twitter から facebook に同送/転送してDB化したつもりのメッセージを振り返ってみた。最初は、つぶやきのデータベースとしての facebook の有用性に期待したが、タイムライン…

自我の昇華

海の日三連休の中日に伴侶さんと久留米の石橋美術館に行って高橋野十郎の里帰り展を見てきました。 作品のクオリティの高さが静かな独創性に支えられていて見事な世界でした。本名が高嶋弥寿(やじゅ)で、嶋を島に弥寿を野十郎(やじゅうろう)にあらためた…

共時する遠朋

ユングのシンクロニシティ(共時性)を勉強しなくっちゃと思い定めて、アマゾンで一冊買って、冒頭部分や河合隼雄先生の解説文をながめていたら、易経の話(神託や予言の作用原理としての共時性)がでてきて、ああ因果律の支配下にない共時性ならさもあらん…

ロジックの中の感性

ブラームスの室内楽を聴いてて、思った。 今時の演奏は演奏者や指揮者の力量に負うところは多い。タイミングの的確さといい、テンポの絶妙さといい。とはいえ、それらを生み出した大元の多くは、3Bやハイドンなどドイツ語圏のロジカルな精神たち。ロジック…

雲が行くまで待とう

ハイドン晩年の弦楽四重奏。昨夜の「名曲の楽しみ」で聴く。水戸にいたころ、古楽器奏者ではともにトップクラスの寺神戸亮(vn)と鈴木秀美(vc)のいるミト・デラルコの演奏で聴いて以来。「名曲の楽しみ」は、いま「ハイドン特集」の大詰めで、最近は声楽ばか…

ふたつの夏とふたつの冬

今度の震災から2ヶ月たったころ、都内の年長の友人が、われわれ日本人がこれからどんな国を望むかは二度の夏と二度の冬をすごしてからでないと分からないよ、と静かに話してくれたことがある。そして、今や僕たちは、一つ目の夏の経験に踏み込んだ。 「政治…

小山実稚恵のステキな魔法

12年間24回リサイタルシリーズ2006-2017の11回目が福岡で開かれました。 小山さんは、音楽の深層への果てしない旅を、一人のピアニストとして、決然と敢行するために、このプロジェクトを構想したのだろうか。12年間24回というのは、並大抵の決意でできるも…

トリオ・ショーソン 風と水と光の三重奏

+++ ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2011鳥栖 の 思い出 +++ 今年のGWは「三段の飛び石スタイル」でしたね。 僕は、風邪や仕事で、最初のホップ・ステップは、だましだましだったのですが、最後の5月7日は鳥栖に行って、気持ちよくジャン…

ふるさと風景: ふたりの上田さん

Think the Earthプロジェクトの上田壮一さんがツイッターのタイムラインに 「視点がまるで違う。大事な、温かな時間が写ってる」 とのコメント付で、被災地の匿名のカメラマンの写真サイトを紹介されていました。 ↓ http://www.rolls7.com/ じっと見ていると…

さくら、さくら・・・

ソメイヨシノの終わったあとは、花色の濃い定番の八重桜・・・ばかりじゃなかった! 大濠の遊歩道を一周して舞鶴公園の西広場から名島門をくぐると、おお、薄いピンクの八重の桜が!とても、きれいだぞ。名札がついているのが嬉しい・・・ 「イチヨウ(一葉…

ガザル(3) 切り拓く覚悟

Social Cafe TAOオーナー主催の集いに舞鶴公園に行った。 絶好の花見日和。満開の桜と若葉の欅。天に高く時に低く鳶の群れ。 皆が集まるなか、キャンプチェアに座り、久しぶりにハーフィズ詩集をめくる。257の一節に目が止まる: <運命に言え、「敵が全…

「創る自然」 復興のニューディール

そもそも、間々田孝夫著「消費社会のゆくえ」をアマゾンから購入したのは、アルビン・トフラーのプロシューマー論を真正面から論じているらしいことを知ったからだ。Wikipediaの「生産消費者」にその本が引用文付で紹介されていたのだ(Wikipedia恐るべし)…

二つの星

歳をとるごとに、私の天空には、 モーツァルトとメンデルスゾーンという二つの星が、 高々と昇ってくる (ヨハネス・ブラームス) 二つの星のイメージは・・・テンダネスとロマンス? ロマン派といえば、特に後期の、感性が奔流するワーグナーや、熱情が溢出…

ガザル(2) 愛の水脈

2010/12/03に続いて「ハーフィズ詩集」から。その243: −*−*−*−*−*−*−*− ・ ・ 神よ、心が見たこと聞いたことを しばしでも述べられる親しき友はいずこ。 ・ ・ ハーフィズよ、 そなたの務めは、祈りを捧げるだけ 恋人が聞こうが聞くまいが、こだわる…

雪のお正月に寄せて

明けましておめでとうございます。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。皆様と皆様の大切な方々とこの国とこの星の幸運を心よりお祈りしています。 下記は、小生の今年の年賀状のテキストです。使いまわしになってしまいますが、ご興味のある方はどう…

シナの詩、古き佳き。

巧笑(こうしょう)、倩(せん)たり <口もとがキレイで> 美目(びもく)、盼(はん)たり <瞳がハッキリしていて> 素(そ)を以って、絢(あや)と為す <その衣は、白で際立つステキな絵柄> 美しい女性(ひと)を褒めたたえた詩。 「詩経」の中にあっ…

幸せの便り: 過去へ、未来へ

−*−*−*−*−*−*−*− お手紙うれしく読みました。 文章は上手ですが、字が少しきたないですね。 きれいに書く稽古(けいこ)をしなさい。 読方の本はもちろん、歴史の本でも地理の本でも理科の本でも自分で書取をして、よく字をおぼえるのですよ。 体の方…

時代を拓く「雰囲気」づくり

大きな仕事の周囲には必ず独特の「機運」なり「雰囲気」なりがある。明治維新しかり。 先日、N社の「チーム・はやぶさ」の主力メンバーであるO氏のお話を伺ったときも、太陽系大航海時代を引っ張るのは我々(JAXA+メーカ)だけれど、その我々を引っ張…

ローカル・アート・ネットワーク

福岡市の「Art & Culture わの会」に入っている。 地域の活性化を考えている仲間で福岡の芸術度をもっともっとアップさせたい という話になり、美術や音楽の各拠点をネットワークしようぜ!と盛り上がって・・・ でも調べてみると、既にちゃんとそういう仕組…

水素ロータリーは、夢の続き?

マツダのロータリーエンジン! ぼくら昭和の子(もう40年以上も前)にとって夢のエンジンだった。最近、その「水素燃料バージョン」が登場したのを知ったとき、わぁ〜!と感動した・・・のだけれど:世の中の注目度がイマイチ高く感じられないのはどうして…

新たな幸福の舞台: アソシアシオン、シンフォニシティ 

ぼく(曲りなりの理系)の文科(特に政治や経済)の先生になってくれているNH氏は33歳の実業家だ。ちょうど20歳年下だけれども教えられることは少なくない。例えばJSTの北澤理事長の持論「第4の価値」を話題にすると、間髪をおかずフランスの社会…

ペットボトルの中の宇宙

メダカを3尾、飼っている。シロメダカという種類。「目・高」の名の通り、頭の頂上部に配置された両眼は常に水面をスキャンしている。 水槽は、カラになった2リットルのミネラル水のペットボトルでブリコラージュ。 横置きにして大きな天窓を2つ。 水底に…

ガザル (ペルシャの抒情詩)

辻原登の小説の主人公を気取って「ハーフィズ詩集」を無作為に開いてみた。 三度目くらいで眼に入ったのは、その232(訳は黒柳恒男さん): もしできることなら 私は悲しみが 消え去ることをしてみたい 心の個室は 相反するものが交わる場ではなく 悪魔が去…