時代を拓く「雰囲気」づくり


大きな仕事の周囲には必ず独特の「機運」なり「雰囲気」なりがある。明治維新しかり。


先日、N社の「チーム・はやぶさ」の主力メンバーであるO氏のお話を伺ったときも、太陽系大航海時代を引っ張るのは我々(JAXA+メーカ)だけれど、その我々を引っ張ってくれるのは皆様の応援なのだと熱く語られていました。曰く:


  私は、いろんなところで講演します。
  そして、いつも最後に皆さんにお願いしています。

  日本中の人が、

  「はやぶさ、面白いよ。太陽系に大航海に行けるんだよ」

  と言ってくれることが一番の応援なのです、と。


いやぁ、それにしても「はやぶさ」の7年間のストーリーと帰還映像には、あらためて感激させられました。
ありがとうございました、との思いで胸いっぱいです。


そして、そうした私たちの感想は、とても素直な流れで応援の気持ちになりますし、それが、さらに何人、何千人、何百万人と増えていけば、時代の「雰囲気」、大航海時代を呼び込む「機運」につながるのでは、と期待しています。


追記: 

喜寿祝いで久しぶりにお会いした恩師から、ホンダ・フジシマ効果で高名な藤嶋昭先生の御本を紹介頂いた。その中にも「雰囲気」の話が出てきます。

古くはフランス画のバルビゾン、時代が下ったモネやゴッホのころのヨーロッパ、そしてアインシュタインやハイゼンベルグなど20世紀初頭のヨーロッパで活躍した物理学者たちのコミュニティ・・・・

ダイナミックに言えば、創発がきらめくすばらしい環境。静かな省察の気分で言えば、藤嶋先生が引用されている道元の言葉:「霧の中を歩けば、覚えざるに衣湿る」。

うん、やっぱり「雰囲気」は大事。



Rev.[web・2010/12/16・KB31TKS]